ソウルに「松江ラーメン」 韓国人男性が出店
松江市内の製めん業者が販売する「松江ラーメン」に魅せられた韓国・ソウルの男性実業家が、現地に同名の日本式ラーメン店を出店し、人気を呼んでいる。フランチャイズ化や「収益の一部を日韓交流の足がかりにしたい」と松江発信の夢が膨らんでいる。
男性は呉承桓(オウ・スンファン)さん(46)。松江ラーメンとの出会いは昨年1月。NPO法人理事を務め、韓国を訪れた井上睦英さん(56)=松江市石橋町=と知人を介して知り合い、おみやげに生めんセットを贈られたのがきっかけ。
訪日が多く日本食にも親しんでいたが「こんなにおいしいラーメンは初めて」と感激。意気投合して全面協力を申し出た井上さんと出店プランを練った。「松江」の地名が、1500年代に活躍した高貴な詩人・松江鄭■(サンズイに徹のツクリ)(ソンガン・チョンチョル)の称号と同じことも気に入ったという。
為替レートの変動や厳しい食品検査を乗り越え、同12月から居酒屋の店舗を昼間借りて試験営業。スープの濃さや値段、客の反応を調べ、新店舗「松江ラーメン」を5月にオープン。豚骨やみその乾めんが主流だった韓国で、生めんであっさり仕上げたしじみしょうゆの風味がたちまち話題になった。
松江城のポスターや観光パンフレット、日本語で書かれた商品紹介を飾る店内には、あいさつに出雲弁「だんだん」が飛び交い、味や雰囲気に魅了された学生から社会人まで幅広い客層が足繁く通う。
日韓交流の基盤づくりも着々と進む。7月下旬にあった松江・天神祭りでは、商店街納涼市に井上さんが出店した百円ラーメン屋台にスタッフ4人と応援に駆け付け「いらっしゃいませ」と流ちょうな日本語で接客。2日間で千食を売り上げた。
「出会えた人々とのつながりが何よりも幸せです」とにっこりする呉さん。松江発のあたたかいラーメンは、国を超えて人々の心もつなぐ。
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